特別支援教育に関するFAQ(※カテゴリを選択してください)
知的障がいのある児童生徒に対する教育的対応の基本について教えてください。
抽象的な内容は理解しにくいため,より具体的な指示や活動内容を提示するように工夫します。数量や言語の理解には多くのステップが必要であり,自作教材・教具の作成等,その都度適切な教材を用意します。成功体験が少なく,自己肯定感が低い児童生徒が多いため,結果よりも過程や意欲に目を向け,児童生徒に応じたほめ方を行います。
目標は,スモールステップ(はじめから高い目標を設定するのではなく,目標を細分化し小さな目標の達成を積み重ねながら最終的な目標に近付いていく)で設定し,その都度ほめて成功体験を積み重ねていくことが大切です。
具体的な指示例として,「ちょっと待ってて」→「10数えるまで待ってて」,「廊下を走らない」→「廊下を歩きましょう」などが考えられます。「やめさせたい行動」ではなく,「してほしい行動」を具体的に伝えると,児童生徒は,自分がするべき事を理解しやすくなります。
知的障がいのある児童生徒に対する指導内容について教えてください。
ルールの理解等の社会性を身につけていくための指導や,児童生徒の将来を考え,職業や生活に活用できる実際的な力をつけることができる指導を行います。
机上学習だけでなく,算数科でお金の学習をした後,生活単元学習で買い物学習をするなど,実体験を含んだ授業を確保することが大切です。
また,必要に応じて,知的発達の状態に加えて,視覚や聴覚の特徴的な感覚,手先の感覚や緻密性の困難さなどを把握して指導しましょう。
病弱児の学習活動について配慮すべきことを教えてください。
学習時間の制約の状況を考慮して学習内容を適切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置いて学習できるようにします。また,学習空白や学習の遅れの状況について的確に把握し,それらを補完するような学習活動ができるようにします。
運動の制限を余儀なくされている慢性疾患のある児童生徒の体育については,授業への参加の機会を無くすのではなく,(公財)日本学校保健会作成の「学校生活管理指導表」に基づく主治医・学校医の指導によって,身体活動の種類や程度などを決めるようにしましょう。
体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,児童生徒の病気の状態や学習環境に応じて,間接体験や疑似体験,仮想体験等を取り入れるなど,指導方法を工夫し,効果的な学習活動が展開できるようにすることが求められています。
特別な支援や配慮を必要とする児童生徒は,教員との一対一での指導を常に受けることが望ましいのでしょうか。
特別支援教育は,「幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うもの」(中央審議会答申「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」より)であり,一対一での指導を常に受けることが望ましいわけではありません。例えば,特別支援学級も,小学校(中学校)の学級集団の1つであり,友だちや教員と関わり合いながら学んでいきます。
特別支援学校の教育課程は,どのように編成されていますか。
特別支援学校の教育課程は,小学校(中学校,高等学校)の教育課程に加えて,自立活動で編成されています。「自立活動」は,特別支援学校の教育課程において,特別に設けられた指導領域です。特別支援学級や通級による指導において,特別の教育課程を編成する場合は,自立活動を取り入れることと示されています。なお,知的障がい者である児童生徒に対して教育を行う特別支援学校の各教科は別に定められています。
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