特別支援教育に関するFAQ(※カテゴリを選択してください)
特別支援学級には,どのような障がいの種類や程度の児童生徒が在籍していますか。
特別支援学級は,「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」(25文科初第756号)において,学校教育法第81条第2項の規定に元づいて,特別支援学級を置く場合には,以下の障がいの種類及び程度の児童生徒のうち,特別支援学級において教育を受けることが適当であると認める者を対象としています。
知的障がい学級 | 知的発達の遅滞があり,他人との意思疎通に軽度の困難があり日常生活を営むのに一部援助を必要で,社会生活への適応が困難である程度のもの |
肢体不自由学級 | 補装具によっても歩行や筆記等日常生活における基本的な動作に軽度の困難がある程度のもの。 |
病弱・身体虚弱学級 |
慢性の呼吸器疾患その他疾患の状態が持続的又は間欠的に医療又は生活の管理を必要とする程度のもの。 身体虚弱の状態が持続的に生活の管理を必要とする程度のもの。 |
弱視学級 | 拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度のもの。 |
難聴学級 | 補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが困難な程度のもの。 |
言語学級 | 口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,その他これに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,その程度が著しいもの。 |
自閉症・情緒がい学級 |
自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの。 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの。 |
知的障がいのある児童生徒に対する教育的対応の基本について教えてください。
抽象的な内容は理解しにくいため,より具体的な指示や活動内容を提示するように工夫します。数量や言語の理解には多くのステップが必要であり,自作教材・教具の作成等,その都度適切な教材を用意します。成功体験が少なく,自己肯定感が低い児童生徒が多いため,結果よりも過程や意欲に目を向け,児童生徒に応じたほめ方を行います。
目標は,スモールステップ(はじめから高い目標を設定するのではなく,目標を細分化し小さな目標の達成を積み重ねながら最終的な目標に近付いていく)で設定し,その都度ほめて成功体験を積み重ねていくことが大切です。
具体的な指示例として,「ちょっと待ってて」→「10数えるまで待ってて」,「廊下を走らない」→「廊下を歩きましょう」などが考えられます。「やめさせたい行動」ではなく,「してほしい行動」を具体的に伝えると,児童生徒は,自分がするべき事を理解しやすくなります。
知的障がいのある児童生徒に対する指導内容について教えてください。
ルールの理解等の社会性を身につけていくための指導や,児童生徒の将来を考え,職業や生活に活用できる実際的な力をつけることができる指導を行います。
机上学習だけでなく,算数科でお金の学習をした後,生活単元学習で買い物学習をするなど,実体験を含んだ授業を確保することが大切です。
また,必要に応じて,知的発達の状態に加えて,視覚や聴覚の特徴的な感覚,手先の感覚や緻密性の困難さなどを把握して指導しましょう。
病弱児の学習活動について配慮すべきことを教えてください。
学習時間の制約の状況を考慮して学習内容を適切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置いて学習できるようにします。また,学習空白や学習の遅れの状況について的確に把握し,それらを補完するような学習活動ができるようにします。
運動の制限を余儀なくされている慢性疾患のある児童生徒の体育については,授業への参加の機会を無くすのではなく,(公財)日本学校保健会作成の「学校生活管理指導表」に基づく主治医・学校医の指導によって,身体活動の種類や程度などを決めるようにしましょう。
体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,児童生徒の病気の状態や学習環境に応じて,間接体験や疑似体験,仮想体験等を取り入れるなど,指導方法を工夫し,効果的な学習活動が展開できるようにすることが求められています。
弱視特別支援学級に入級できる障がいの程度を教えてください。
弱視特別支援学級に入級可能な障がいの程度は,「拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度のもの」です(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)。
「視覚による認識が困難な程度のもの」とは,小・中学校等の通常の学級に在籍する子供に比べて通常の文字等の認識に時間を要するとともに,通常の学級においては指導内容が分かり学習活動に参加している実感・達成感をもちながら,学ぶことに困難があり,かつ障がいによる学習上又は生活上の困難を改善・克服するための指導を系統的かつ継続的に行う必要のある状態を指しています。
(引用:障害のある子供の教育支援の手引 R3.6文部科学省)
弱視特別支援学級に在籍する児童生徒が使用する教材は,すべて拡大することで「配慮ができている」といえるのでしょうか。
児童生徒の見えにくさはさまざまであり,拡大が逆効果となる場合もあります。
どのような見えにくさがあり,拡大,縮小,解像度,コントラスト,配置の工夫,聴覚活用など,どのような変更が良いのか,児童生徒一人ひとりの状態を考慮して教材を作成しましょう。
弱視特別支援学級では,授業中,教室内をできるだけ明るくした方がよいのでしょうか。
窓からの自然光,天井灯,デスクライトなどを利用することで,まぶしさが生じることがあります。机上の照度の確保にデスクライトが効果的な場合もありますが,光源の位置,照明カバーや反射面等に留意し,窓の遮光カーテンを閉めるなど,不快なまぶしさを軽減する教室環境を整えましょう。
弱視特別支援学級に在籍する色彩への反応が弱い児童生徒の場合,教材には色の使用を避けた方がよいのでしょうか。
色彩への反応が弱い児童生徒の場合,使用する教材において色の使用を避けるのではなく,配色の工夫や明度差の考慮など,認知しやすい色彩を用いましょう。そうすることで見やすさを高めることがあります。また,色の三要素(色相,明度,彩度)を踏まえた組合せの配慮など,色に関する知識も教育上,大切です。
弱視特別支援学級において,地図を教材として用いる場合の注意点を教えてください。
弱視特別支援学級において,地図を教材として用いる場合は,単に全体を拡大するのではなく,海岸線や等高線の単純化,記載情報を必要最小限にする,文字を大きく・線を太くするなど配慮した描き替えが必要です。
「学習の空白」とは何ですか。
「学習の空白」とは,病気による長期間ないしは短期間であっても繰り返しの入院,あるいは外来通院のため,学習すべき各教科等の内容を系統的あるいは部分的に学習できていない状態のことを言います。
一般的に,病弱・身体虚弱特別支援学級に在籍する児童生徒に対して,「学習の空白」に配慮した指導が必要であると言われています。
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