徳島県では、令和4年度までは「ポジティブな行動支援」を、令和5年度からは「ポジティブ行動支援」を使用しています。(ホームページ内では、両方の言葉が使われています。) |
Q&A
なかなかポジティブな言葉かけができません。ポジティブ行動の目標(してほしいこと)の設定がずれている(高すぎる)のでしょうか?意識改革が必要な気がするのですが、第1歩、何から始めればいいでしょうか。
人間の心理として、どうしても「できていないところ」に目がいってしまうことはあると思います。いま「できているところ」に注目するように心がけてみるだけでも、きっと子供のよいところに気がつくと思います。
集団でも同じことが言えます。「できていない子供」に注目するよりも「できている子供」のがんばりをまず認めて褒め、その行動を見ている他の子供たちの行動を修正するという方法もあります。
また、「ポジティブ行動支援」を始める際には、自分の中にある褒めたり、認めたりする基準を少し下げてみましょう。褒める回数がきっと増えると思います。
しかし、どうしても褒めるのが苦手、慣れていないという方もいると思います。うなずきながら感嘆詞(「あ~」、「おおっ!」、「うんうん」、「いいっ!」など)を使って称賛する、グーサインやOKサイン、視線で称賛する、連絡帳に特別なシールを貼って賞賛する、日記に長めにコメントを書くなど、自分の得意な方法、苦にならない方法で実施してみてください。
学校全体で「ポジティブ行動支援」に取り組む際に、大規模な学校では難しさがあると思うのですが、どのようなシステムで行うのがよいのでしょうか。ポイントはありますか?
大規模な学校であっても、「ポジティブ行動支援」を進めていく際には教職員間で丁寧な合意形成を行い、既存のシステムを有効に活用して、子供たちにポジティブに関わっていくことが必要です。つまりすることはほぼ同じです。
ただ、大規模校では学校全体で話し合いの時間をとるということが難しい場面もあるかもしれません。そのような場合は、低・中・高学年や学年団などの単位で取り組みを進めていくことも重要です。
動きやすい単位で取り組みを進めていくことで、校内全体へよい流れを広められるようにしていきたいですね。
学校全体で取り組むためのポイントを教えてほしいのですが。
学校事情により、多少ポイントは変わってくるところはあると思います。しかし、コツは共通しています。
どの学校でも共通する成功のためのコツは、「丁寧な教職員間での共通理解」と「合意形成に向けて調整するリーダーの存在」です。
共通理解は「ポジティブ行動支援」の実践を通して少しずつ深まっていくものですが、その基盤となる目標の妥当性や基本的な考え方の共有は必ずやっておいた方がよいと思います。
また、教職員間の異なる意見を調整する役割を担う教員や取り組みを進めていくリーダー的な役割を担う教員も必要です。
大切なことは、教職員間で話し合いの機会を持ち、学校の方向性や子供たちの指導を共通で行うというチームの意識を持つことでしょう。そのための方策としてPBSは有効に機能すると思います。
「ポジティブ行動支援」に学校全体で取り組もうと思ったとき、何からどのように取り組んでいけばよいでしょうか? また、「ポジティブ行動支援」を学校全体で行う取組への理解や協力を得るためには、どのような手順で行えばよいのですか?
よく似ている質問なので、まとめてお答えします。
まずは、校内で「ポジティブ行動支援」に共感してくれる仲間となる教職員を増やしましょう。そのためにも、ご自身が、普段の授業や指導の中で「ポジティブ行動支援」を実践していきましょう。
あなたが担任であれば、まずはあなたの学級で実践し、子供たちによい変化が現れると、校内でもあなたの言葉に耳を傾けてくれる仲間が増えていくでしょう。その具体的な方法の手順は、平成30年度発行のリーフレットを見ていただくと、イメージできると思います。
機が熟してくれば、リーフレットを活用したり、県内であれば総合教育センターの要請訪問等を活用したりして、校内研修を行い学校全体で取り組むように提案してみましょう。
「ポジティブ行動支援」について、保護者や周りの教職員の協力や理解を得て連携していくためにはどうしたらよいのでしょうか?
【教職員の協力を得るために】
話し合いの機会を定期的に設けることが必要です。工夫としては職員研修の年間計画に入れておくことや職員会議の後に5分程度時間を取るなどが考えられます。
ポイントは、短時間で、効果的に!連携では相手の意見を否定しないが基本です。
【保護者の理解を得るために】
学校での取組や子供たちの変化を、積極的に保護者や地域に発信していくことが大切です。
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