特別支援教育に関して、よくある質問について掲載しています。

*徳島県では、平成26年1月から、障がいのある人も無い人もお互いに支え合い、「生き生きと心豊かに」暮らしていける社会を目指すとともに、人権尊重や障がい福祉に対する県民理解の一層の促進を図るため、県が作成する公文書や組織名等において「障害」を「障がい」と「ひらがな表記」することとしています。ただし、特別支援学校教育要領・学習指導要領等を引用している箇所は漢字表記のままとしています。

FAQ

A

 あらかじめ苦手な音が出ることが予想できる場合は、事前に予告し、必要ならば軽減できる防音具(イヤーマフ、耳栓等)を装着するように声かけをします。また、苦手な音を軽減させるため、あらかじめ椅子脚の先端にテニスボールや椅子脚カバーを取り付けておきます。苦手な音から避難したいときは、教員に伝えてから決められた場所(雑音の少ない空き教室,保健室等)に移動するなどのルールを決めておきます。

 「無理矢理にでも慣れさせる」という対処法は厳禁です。解決に繋がらないどころか、心身の健康を害するリスクもあります。また、過敏性は、心理的に不安定になるとより強くなるので、過敏性が強くなってきたときは、環境やスケジュールを見直しましょう。

A

 不要な刺激を与えないように静かに声かけし、必要に応じて静かで落ち着く場所に移動するようにします。パニック時に教員が大声を出すと、ますます不安感や不快感が募り、余計にエスカレートし、パニックが大きくなります。パニック中に注意しても伝わりません。静かに、声かけも少なく対応しましょう。

 パニックになったときに、好きな場所や好きな活動ができると、「パニックを起こせば、要求が叶えられる」「嫌なことから逃避できる」ことを学習してしまいます。困った行動をやめさせるのではなく、その行動と置き換わる適切な行動を教えましょう。

 また、家庭や社会で生活していく上で、指示に従うルールを教えることも大切です。

 記録をもとに、パニックを起こした理由を探り、「パニックを起こさなくてもよい環境づくり」を工夫することが重要です。

A

 全体的な流れや次の活動の見通しが持てるように、スケジュールを提示し、「好きな遊びや課題学習が次はいつできるのか」を伝えます。

 また、見通しが持てるようにタイマー等を手渡し、終わりを予告します。活動を終了できれば、「終わりのルール」が守れたことを本人が喜ぶ方法で称賛します。

 家庭や社会で生活していくうえで、指示に従うルールを教えることは大切です。スケジュールの活用やタイマーなどを使った終わりの予告など、見通しを持たせ、ルールを守りやすい環境を整えましょう。

 一度学んだことを修正するのは、新しいことを教える以上に時間がかかるので、最初から正しい行動を教えることが大切です。

A

 苦手なことにも取り組めるようになるためには、具体的に視覚的支援を用いて始まりと終わりを明確に提示し、少し頑張ればできそうな活動からスモールステップで取り組みます。活動ができたときは、本人が喜ぶ方法で称賛します。

 本人が納得しないまま「好きなこと」を取り上げるのは、かえって落ち着きがなくなり、パニックにもつながります。

 その活動において、指示が「わからない」のか、スキルが未習得で「できない」のか、それまでの経験で「やりたくない」のかなど、活動しない理由を考え、それに応じた支援方法を考えてみましょう。

 教員が何も対応をしないと、本人は「しなくてもいい」「好きなことをしてもいい」ということを学習してしまいます。

A

 ルールの理解等の社会性を身につけていくための指導や,児童生徒の将来を考え,職業や生活に活用できる実際的な力をつけることができる指導を行います。

 机上学習だけでなく,算数科でお金の学習をした後,生活単元学習で買い物学習をするなど,実体験を含んだ授業を確保することが大切です。

 また,必要に応じて,知的発達の状態に加えて,視覚や聴覚の特徴的な感覚,手先の感覚や緻密性の困難さなどを把握して指導しましょう。

A

 スケジュールの提示(時間の構造化)は、見通しを持った活動が可能になり、指示待ちの態度の形成を予防し、自分の力で自主的に行動しようとする態度を育てることができます。また、あらかじめ予定を伝えることで、混乱からくるパニックを減らすことができます。「声かけでわかる」ではなく、「自分の力でわかる(できる)」を目指しましょう。

 ワーキングエリア(学習に取り組むための場所)やカームダウンエリア(落ち着くための場所)など各空間を物理的に区切り、その空間では何をすればよいかわかるようにし、活動と場所を結びつけることも有効です(物理的構造化)。ただし、これらのエリアを廊下や外が見える位置に設置すると、戸外からの刺激が学習の集中を妨げます。また、カームダウンエリアの設置は安全面に配慮しましょう。

 ワークシステム(手順の構造化)は、教員が絶えず密着して指示や指導をしなくても、課題の意味、手順、量などを理解して「一人で自立して」学習できるようにするためのものです。指導は、全ての課題が終わり、教員に終了報告があってから行いましょう。

 児童生徒が自立して活動できていなかったり、混乱する様子が見られたりしたときは、構造化の見直しを行いましょう。

A

 抽象的な内容は理解しにくいため、より具体的な指示や活動内容を提示するように工夫します。数量や言語の理解には多くのステップが必要であり、自作教材・教具の作成等、その都度適切な教材を用意します。成功体験が少なく、自己肯定感が低い児童生徒が多いため、結果よりも過程や意欲に目を向け、児童生徒に応じたほめ方を行います。

 目標は、スモールステップ(はじめから高い目標を設定するのではなく、目標を細分化し小さな目標の達成を積み重ねながら最終的な目標に近付いていく)で設定し、その都度ほめて成功体験を積み重ねていくことが大切です。

 具体的な指示例として、「ちょっと待ってて」→「10数えるまで待ってて」、「廊下を走らない」→「廊下を歩きましょう」などが考えられます。「やめさせたい行動」ではなく、「してほしい行動」を具体的に伝えると、児童生徒は、自分がするべき事を理解しやすくなります。

A

 学習時間の制約の状況を考慮して学習内容を適切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置いて学習できるようにします。また,学習空白や学習の遅れの状況について的確に把握し,それらを補完するような学習活動ができるようにします。

 運動の制限を余儀なくされている慢性疾患のある児童生徒の体育については,授業への参加の機会を無くすのではなく,(公財)日本学校保健会作成の「学校生活管理指導表」に基づく主治医・学校医の指導によって,身体活動の種類や程度などを決めるようにしましょう。

 体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,児童生徒の病気の状態や学習環境に応じて,間接体験や疑似体験,仮想体験等を取り入れるなど,指導方法を工夫し,効果的な学習活動が展開できるようにすることが求められています。

A

 特別支援教育は、「幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの」(中央審議会答申「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」より)であり、一対一での指導を常に受けることが望ましいわけではありません。例えば、特別支援学級も、小学校(中学校)の学級集団の1つであり、友だちや教員と関わり合いながら学んでいきます。

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 特別支援学校の教育課程は、小学校(中学校,高等学校)の教育課程に加えて、自立活動で編成されています。「自立活動」は、特別支援学校の教育課程において、特別に設けられた指導領域です。特別支援学級や通級による指導において、特別の教育課程を編成する場合は、自立活動を取り入れることと示されています。なお、知的障がい者である児童生徒に対して教育を行う特別支援学校の各教科は別に定められています。

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