Q
自閉症の児童生徒に有効な「構造化」について教えてください。
A
スケジュールの提示(時間の構造化)は、見通しを持った活動が可能になり、指示待ちの態度の形成を予防し、自分の力で自主的に行動しようとする態度を育てることができます。また、あらかじめ予定を伝えることで、混乱からくるパニックを減らすことができます。「声かけでわかる」ではなく、「自分の力でわかる(できる)」を目指しましょう。
ワーキングエリア(学習に取り組むための場所)やカームダウンエリア(落ち着くための場所)など各空間を物理的に区切り、その空間では何をすればよいかわかるようにし、活動と場所を結びつけることも有効です(物理的構造化)。ただし、これらのエリアを廊下や外が見える位置に設置すると、戸外からの刺激が学習の集中を妨げます。また、カームダウンエリアの設置は安全面に配慮しましょう。
ワークシステム(手順の構造化)は、教員が絶えず密着して指示や指導をしなくても、課題の意味、手順、量などを理解して「一人で自立して」学習できるようにするためのものです。指導は、全ての課題が終わり、教員に終了報告があってから行いましょう。
児童生徒が自立して活動できていなかったり、混乱する様子が見られたりしたときは、構造化の見直しを行いましょう。